診療活動の現状とプロフィール

 

<当院の治療の現状>     (2009年6月6日現在)
2003年4月7日に開院して以来6年2ヶ月が過ぎましたが、本年4月6日までの丸6年の時点で、これまで新患数は18,209名(男性:女性=1:1.8,平均年齢42.4歳)で、延べ患者数は91.853名になります。患者さんは,地元の甲斐市から6.585名、隣の甲府市から5,580名でこの2つの市で67%を占めております.残りは県の北西部の北杜市,韮崎市南アルプス市や南巨摩郡などから3,853名,中巨摩郡や中央市から950名,さらには笛吹市,山梨市などからも約700名など,ほぼ県内全域から来ていただいております。また県外からは417名の方が受診されております.標榜科目は脳神経外科と心療内科ですが、入院施設はないため脳外科手術は行っておりません。


 <受診患者さんの内訳>
受診患者さんの主な症状、疾病は、頭痛の患者さんが12,649名で,全体の約6割をしめております.うつ病・うつ状態、パニック障害、社会適応障害、社会不安障害、身体化障害,双極性障害などの精神疾患が6,322名、認知症は453名,他めまい、脳梗塞、頭部外傷,脊髄疾患やパーキンソン病などの患者さんが受診されております。


 <頭痛の診断はどうやっているの?>
頭痛患者さんは、2004年に発行された国際頭痛分類(第2版)に準拠して診断をしておりますが、これには多種多様の頭痛の原因が約250種類網羅されており、それぞれに診断基準が設けられております。患者さんの頭痛の発症年齢、経過、程度、部位、性状、随伴症状などから総合的な情報を問診表に記入していただき,それを基に診察をして,国際頭痛分類に即して診断を行います。また、当院にはMRI(核磁気共鳴装置)が設置されており、即日検査が可能になっております。頭痛の診断基準と頭部MRIの結果から、頭痛の原因をより正確に診断し、正しい治療を行うよう努力しております。これにより救急を要する頭蓋内出血や脳腫瘍などの異常が発見されますと、山梨大学,県立中央病院や他の脳外科施設に紹介するシステムをとっております。


 <頭痛の種類は?>

 頭痛の患者さんの12,649名のうち、最も多かったのは、片頭痛が6,075名で,次いで多かったのは緊張型頭痛で4,532名でした.この2つの頭痛は,頭の中に異常がない頭痛で,他群発頭痛162名も含めて一次性頭痛に分類されております。二次性頭痛には、鞭打ちに代表される頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍、低髄液圧症候群、薬物乱用頭痛、髄膜炎、透析不均衡、高血圧、頚椎疾患、鼻副鼻腔炎、眼精疲労、身体化障害やうつ病などからの頭痛、さらに帯状疱疹後の神経痛などが含まれております。当院における二次性頭痛の主なものは、薬物乱用頭痛が最も多く702名,鼻副鼻腔炎による頭痛が438名、身体化障害やうつなどの精神疾患による頭痛が502名などでした.


 <片頭痛はどんな症状なのか?>
 頭痛の原因で最も多い片頭痛について説明します.片頭痛は,早い人は4−5歳から始まったり,初潮の頃や,20歳を過ぎてからなど,発症年齢は個々に差があります.また,幼児期から腹痛,嘔吐やめまいなどの自律神経症状を周期的に訴え,頭痛に移行していく場合もあります.小児科を受診すると自家中毒や起立性調節障害などと診断されますが,片頭痛の予防薬などを使用したり,片頭痛の特効薬などで治療すべきと思います.片頭痛の決め手は,以前に寝込むほどの頭痛を繰り返しており,4時間から72時間続く頭痛発作で,月に1−5回程度(個人差あり)繰り返します.さらにムカムカしたり,時には吐いてしまったり,光や音に敏感になり,暗い部屋で静かに寝ていたいというのも特徴です.また月経の始まる前,最中や終わったあとに,上記のような頭痛発作が起こる女性も半数以上います.このような場合には排卵日前後にも頭痛発作がおこることもあります.これは月経関連片頭痛として国際頭痛分類(2004)にしっかり分類されております.婦人科や内科では,生理痛として鎮痛薬を投与されますが,いたずらに慢性的に投与されますと後述します薬物乱用頭痛になりますので,注意が必要です.

痛みが出る前に肩が詰まったり,肩が凝ったりしてから上記のような頭痛が起こる場合には,一般的に肩こり頭痛とか緊張型頭痛と診断されかねません.しかし,その場合には寝込むほどや生活に支障はきたしませんし,悪心,嘔吐もありません.強い頭痛の前に肩がつまるのは片頭痛の予兆でもあります.従来は肩こりがあると「肩こり頭痛」一辺倒でしたが,国際頭痛分類(2004)ができてから,それは過去の頭痛教育の遺産であります.これを見逃すと,後述するように慢性的に鎮痛薬に溺れていく薬物乱用頭痛になってしまいます.是非,上記のような頭痛に色々な症状を伴い,学校,家事や会社を休んだり,早退,中座するほどの頭痛は,片頭痛です.緊張型頭痛(肩こり頭痛)という固定観念は完全に捨てて,まず,受診することをお奨めします。


 <片頭痛の治療はどうするの?>
 それでは,片頭痛の治療はとうするかであります? 2001年から片頭痛の経口特効薬が日本にも保険適用となり、頭痛医療が格段に進歩しております。しかし、片頭痛の患者さん自身が片頭痛であることを認識できていない方もいますし、片頭痛だからあきらめて発作の時は市販の鎮痛剤を飲んで寝るしかないと思っている患者さんが極めて多いのが実情です。当院で片頭痛の特効薬(トリプタン製剤、本邦では4社から発売,現在は飲み薬が5種類,点鼻薬が1種類,自分でできる皮下注射が1種類)を使用した患者さんは、5,996名(多剤内服例も含む)ですが、結果が判明した2,733名中2時間以内に頭痛が消失した割合は80.6%でした。このような患者さんはそれまで頭痛で寝込んでいたのが寝込まなくなったなど日常生活を脅かす片頭痛発作の脅威から2時間以内で免れることができるわけです。患者さんからこれで片頭痛が治ってしまうのかと誤解されることがありますが、これですっかり治ってしまうのではなく、そのときの頭痛発作を頓挫させることが主目的です。根治する薬ではないことや女性の場合は,閉経を過ぎるとほぼ7割くらい片頭痛発作から解放さると文献的に報告があると説明しております.実際,当院でも50歳をすぎると以前に片頭痛持ちであった人が,頭痛が極めて減ってきます.


 <薬物乱用頭痛に気をつけてください>

 薬物乱用頭痛は,3ヶ月以上の期間で1ヶ月に15日以上頭痛を自覚していて,その痛みから逃れたい一心で,1ヶ月に鎮痛薬の場合には15日以上,他の薬剤を複合したりすると10日以上内服しているのが3ヶ月以上続いている方を薬物乱用頭痛と診断します.なぜこのようになるのかですが,片頭痛の患者さんは、その頭痛の脅威から早めに鎮痛薬を内服する癖がつき、出かけるから早めに飲んでおこう、寝込むのがいやだから早めに飲もう、仕事に差し支えるから今のうちに飲んでおこうとしているうちに、薬を乱用するようになり、それがまた頭痛を引き起こすわけです.当院には,既述したように薬物乱用頭痛と診断された患者さんは702名ですが,中には市販の鎮痛薬を中学生からずっと飲み続けている患者さんもいます.このような方は,ほとんど難治性の慢性連日性頭痛になる傾向があります.連日,鎮痛薬を飲んでいる頭痛患者さんは,是非一度ご相談下さい.鎮痛薬からの脱却ができて,頭痛が著明に減少して喜ばれている患者さんは8割になります.決してあきらめないで下さい.


 <物忘れ診断外来は何をやっているの?>
 また当院は,当初から,
月に2回「物忘れ診断外来」を開設し、言語聴覚士により,知能や記憶障害の検査を行い,アルツハイマー型認知症の早期発見に努めており,6年間で認知症の患者さんは453名になっております.このような患者さんには,アルツハイマー型認知症治療薬(アリセプト)を投与しながら,経過を追っております.アルツハイマー型認知症の補助診断にはSPECT検査(脳血流動態)の有用性が高いため、認知症の疑い例についてSPECT検査を国立病院機構甲府病院にお願いしております。病診連携により、より確実な診断のもと、的確に治療を行っております。

このように当院は頭痛、うつ、物忘れを3本柱にしております.

高血圧・糖尿病・高脂血症等の生活習慣病を基本とした動脈硬化を予防する健康管理も行います。


どのような症状を見るか?

  • ストレスからくる機能的症状(心理的ストレス、肉体的ストレス等による)
頭痛、肩こり、めまい、手足のしびれ、動悸、胃部不快感、不眠。


  • 脳の病気からくる器質的症状
頭痛、嘔吐、半身不随、めまい、失語症、痴呆症状、手足のふるえ、顔面のピクツキ、顔面の痛み、手足の痛み、てんかんやしびれ等をきたす疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、脳腫瘍、頭部外傷、顔面痙攣、三叉神経痛、パーキンソン病、アルツハイマー病等)


  • 生活習慣病予防

 高血圧、糖尿病、高脂血症等は、全身の動脈硬化を引き起こし、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈疾患等の原因となります。また、毛細血管のレベルの血流障害をきたし、細胞の萎縮から老化を早めることになります。これら生活習慣病の予防は、健やかに老いるための最も大切な秘訣であります。これまでの経験から生活習慣の改善と薬物療法にによる、健康管理もおこなっていきます。


  • 予防接種

  インフルエンザワクチン等の予防接種も行います。


  平成21年72

                        医療法人 斐水会

                           ながせき頭痛クリニック

                          理事長・院長 永関慶重


【学歴】
昭和 42年 高根町立高根中学校卒業
45年 山梨県立甲府第一高等学校卒業
52年 群馬大学医学部医学科卒業
52年 5.1363回医師国家試験合格
58年 7.28日本脳神経外科学会専門医試験合格
62年 医学博士学位取得
平成 19年 日本頭痛学会専門医取得
【職歴】
昭和 52年 群馬大学医学部付属病院脳神経外科入局
52年 以降数カ所の群馬大学脳神経外科関連病院にて研修
62年 山梨医科大学(現山梨大学医学部)脳神経外科医局長:三年間
平成 2年 山梨医科大学(現山梨大学)医学部脳神経外科講師となる
5年1月 山梨医科大学(山梨大学)医学部脳神経外科助教授となる
5年7月 文部省在外研究員として米国(ジョージワシントン大学)留学
10年4月 医療法人社団 輝城会 沼田脳神経外科循環器科病院 病院長となる
14年4月 同院 名誉院長となる
14年12月 同院 退職
15年4月7日 「ながせき頭痛クリニック」開院
19年4月1日 医療法人()水会(すいかい) ながせき頭痛クリニック理事長となる
【他の役職】
山梨大学医学部脳神経外科非常勤講師
日本頭痛学会評議員
山梨頭痛治療研究会世話人
MCSS(Migraine Clinical Speakers)オーガナイザー
日本脳神経外科救急学会世話人
脳神経減圧術研究会世話人
【専門領域】
・脳機能について:(老化、脳萎縮の定量的研究)
・頭痛(12,000例の治療経験:片頭痛、緊張型頭痛、二次性頭痛)
・精神身体医学:(ストレスの心と体への影響)
・機能的脳神経外科(不随意運動:手の振るえ、顔のぴくつき、痛み)
・脳死の問題
【研究費受領】:文部省科学研究費を計4回受領
昭和 61年7月 文部省科学研究費「奨励研究A」の補助受領
62年7月 文部省科学研究費「奨励研究A」の補助受領
63年7月 文部省科学研究費「一般研究C」の補助受領(2年
平成 7年5月 文部省科学研究費「一般研究C」の補助受領(2年